確定申告

減価償却をわかりやすく。「耐用年数」「定額法」「定率法」とは

投稿日:2017年8月7日 更新日:

減価償却ってなに?お金を支払っているのになぜ経費にならないの?って思ってしまいますよね。

法人、個人事業主どちらにも関係がある減価償却です。減価償却にはルールがあり、それによって会計処理、金額が違ってきます。減価償却費は経費全体で考えても、占める割合が多いので正しく理解しておきましょう。

減価償却とは

減価償却とは、固定資産の取得原価をその耐用期間に各事業年度に配分する事です。

これは費用配分の原則に基づいたものです。土地や骨とう品等のように時の経過により価値が減少しないものを除き、建物車両運搬具等の資産は長期間にわたって利用したり、時の経過等によって価値が減少するため、使用可能期間で取得金額をある一定の方法によって各年分に費用配分されます。

パソコンを例に考えると、パソコンを購入したとしてもそのパソコンを1年間で買い替えたりしないで、何年間か使用しています。つまり、「パソコンの価値を何年間かに分けて使用しているため、パソコンの購入費用も何年間かで費用配分します」よって事です。

減価償却資産とは

減価償却の対象となる、事業等の業務のために用いられる建物建物付属設備構築物機械装置器具備品車両運搬具等の資産の事を減価償却資産と言います。

減価償却資産はもので決まっているわけではありません。使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは取得をした時に全額経費となります。

パソコンで考えてみます。パソコンを購入したから減価償却資産となり、期間(耐用年数)で費用配分するのかというと必ずしもそうではありません。

先程10万円未満のものは取得をした時に全額経費と言いました。

・10万円以上のパソコン ⇒ 減価償却資産

・10万円未満のパソコン ⇒ 購入時に全額経費

となります。

1単位あたり10万円以上です。同じ金額のパソコンを2台10万円で購入したとしても、1台5万円で10万円未満となるため減価償却資産ではありません。

取得価額の判定ですが、税込経理の場合は消費税込みの金額、税抜経理の場合は消費税抜きの金額で判定します。免税事業者(消費税の納税義務免除)の経理方式は税込経理なので消費税込みの金額で10万円以上か10万円未満かを判定しましょう。

減価償却資産の償却方法

減価償却資産耐用年数で配分する方法(償却方法)ですが、これにはいくつか方法があります。その中でも代表的な償却方法は「定額法」と「定率法」です。

償却方法は「定額法」「定率法」の2つがほとんどなので確認しましょう。減価償却費は償却方法を用いて計算します。

定額法

定額法耐用年数を配分基準として計算されるので、毎期均等額の減価償却費を計上する方法です。

定額法の計算方法

減価償却費=取得原価×1年/耐用年数(定額法償却率)

通常資産は、時の経過とともに修繕費が増えます。定額法で計算すると、年々費用計上される金額が増えていきます。

こんなイメージです。黒の線が減価償却費、青の線が修繕費、赤の線が費用全体です。

定額法は計算は簡単ですが、時の経過とともに費用全体が年々増加していきます。

定率法

定率法は毎期期首未償却残高に一定率を乗じて減価償却費を計算する方法です。

定率法の計算方法

減価償却費=期首帳簿価額(取得原価ー期首減価償却累計額)×定率法償却率

償却費<償却保証額の場合

減価償却費=改定取得価額×改定償却率

定額法に比べると計算方法が複雑です。

定率法は取得年度に多額の減価償却費が計上されるため、早期に費用処理できます。また、時の経過とともに減価償却費が少なくなってくるため、修繕費を含めた費用全体で考えると毎期平均かされます。

定額法定率法も期の途中で取得した場合は1年間分の減価償却費ではなく、使用した月数分のみの減価償却費になるので注意して下さい。

法定償却方法

個人事業主の方はもしかしたら、「定額法でしか計算した事がない」「定率法なんて知らない」と思うかもしれません。それは、減価償却の償却方法は最初から決まっているからです。

減価償却資産 法定償却方法
法人 個人
建物 平成10年3月31日以前取得 定率法 定額法
平成10年4月1日以後取得 定額法
建物付属設備、構築物 平成28年3月31日以前取得 定率法
平成28年4月1日以後取得 定額法
機械装置、車両運搬具、器具備品等 定率法

*平成19年3月31日以前取得した資産は定額法は旧定額法、定率法は旧定率法

個人事業主は、何もしなければ償却方法は定額法になります。そのため、個人事業主で定率法を知らなくても不思議ではありません。

償却方法の変更

個人事業主で「定率法は知らなくてもいいのでは?」「定率法で計算できないの?」と思うかもしれませんが、実は償却方法の変更ができます。

償却方法の変更をするためには、届出が必要です。個人と法人で届出の様式や提出時期が異なるので提出する時は気を付けて下さい。

国税庁HP(個人の場合):[手続名]所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続

国税庁HP(法人の場合):[手続名]減価償却資産の償却方法の届出

耐用年数

減価償却費を計算するためには期間が必要です。パソコンを2~3年で買い替える人がいれば、10年以上使う人もいます。人によって期間が異なり、その期間で減価償却費を計算すると恣意性が問題になります。

そうならないためにも、法定耐用年数が決まっています。具体的によく使われそうな資産の耐用年数は以下です。

資産の種類 耐用年数
パソコン(サーバー用を除く) 4年
プリンター 5年
コピー機 5年
一般用の車 6年
一般用の車(排気量0.66ℓ以下のもの) 4年

車は一般用、運搬事業用等で耐用年数が違いますし、家庭用エアコンは器具備品耐用年数が6年、パッケージエアコンは建物付属設備耐用年数が13年と違います。

詳しくは国税庁HP:耐用年数表で確認、税理士や最寄りの税務署で相談しましょう。

確定申告書等作成コーナーで減価償却費の計算

減価償却費を自分で計算するのは大変です。間違いがあってはいけないので、国税庁の確定申告書作成コーナー減価償却費の計算ができるので、実際にしてみます。

初めての方は黄色の、過去のデータを利用して作成する方は赤のから進んでください。初めての場合で計算してみましょう。

進んでいくと途中チェック項目等がありますが、わかりにくそうな箇所のみを抜粋します。黄色のをクリックして進んで下さい。

「青色申告決算書を作成する」を選択して次へ進みます。

これより先に進んだら減価償却資産を登録ができます。

取得資産:パソコン

取得日 :平成28年8月

取得価額:150,000円

償却方法:定額法

例を基に実際に減価償却資産を登録してみたのですが、少し補足します。

「1.減価償却資産の種類等」で資産の償却方法等を選択できます。今回の償却方法は定額法なので、「建物・車両・機械・備品等(定額法)」を選択しています。

「2.減価償却資産の細目」で減価償却資産の種類を選択できます。種類は建物、建物付属設備、車両運搬具等ありますがパソコンは器具備品に該当するので「工具、器具及び備品」を選択しています。

「3.減価償却資産の名称」で減価償却資産の具体的な名称を入力できます。例えば、エアコン、サーバー等です。

「4.面積又は数量」で数量等の入力ができます。

「5.取得年月」は資産の取得年月の入力です。日にちまでは入力をしなくても大丈夫です。

「6.取得価額」は取得価額です。税込経理の場合は税込価額、税抜経理の場合は税抜価額です。かりに「4.面積又は数量」で2とした場合は、2台の取得価額です。1台の取得価額ではありません。2以上を1度に登録する時は、種類・金額・取得年月等が同じ場合です。1つ1つ登録する事をおすすめします。

「8.耐用年数」で耐用年数の入力です。今回パソコンなので4年にしています。

「10.本年中の償却期間」は資産を取得して使用した月から、期末までの月数です。個人の場合期末は12月までなので、今回の例では8月~12月までの5ヶ月間が償却期間になります。

「11.事業専用(貸付割合)」はその資産を事業として何%使用しているかを入力する箇所です。パソコン等事業として使う場合もあれば、個人使用する場合もあります。事業として使用している分が減価償却費として経費になります。今回は80%を入力しています。

ここまで入力できれば、減価償却資産の登録が完了です。入力後は以下のようになります。

黄色の減価償却費の金額です。同額を下の減価償却費の合計額に入力すると、決算書減価償却費に反映されるのですが、今回の様に減価償却資産を全部登録している場合には下の合計額の入力は不要です。入力をしなくても決算書に数字が反映されます。

減価償却資産を登録しないで、減価償却費の合計額だけで決算書に反映させたい時には「減価償却費の合計額」に入力をして下さい。その場合は減価償却費の計算の明細を添付して提出する事になります。

ここまでで、登録が完了です。耐用年数と償却方法さえわかれば、登録ができそうです。

 

ここからは少し補足になります。

減価償却資産登録後の画像ですが、赤のが翌年に繰り越す残高です。「150,000-12,500=137,500では?」と思うかもしれませんが、134,375で大丈夫です。134,375は事業80%と個人20%を使用した後の残高です。

減価償却資産を登録した時に「7.前年末未償却残高」がありました。今回は平成28年に取得して平成28年に使用した場合で登録をしていまが、これは今まで国税庁の確定申告書作成コーナーを使用していなくて、今年から使用し前年以前に減価償却資産があった場合等に入力します。

今回平成28年8月に取得したパソコンを平成29年度の確定申告書の作成時に登録したい場合には、「7.前年末未償却残高」に赤の134,375を入力して登録する事になります。

まとめ

減価償却には一定のルールがあります。

1単位あたり10万円以上

償却方法は何か

耐用年数は何年か

この3つがポイントです。

減価償却費は経費全体の占める割合が多いのでポイントをおさえておきましょう。

減価償却には他にも「一括償却資産」「少額減価償却資産」があります。

一括償却資産と少額減価償却資産の違い。20万円と30万円がポイント

減価償却について調べているといつかたどり着くのが「一括償却資産」と「少額減価償却資産」です。「減価償却に加え一括償却資産、少額減価償却資産と複雑でわかりにくい」とならないためには、それぞれのポイントを ...

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しおり
...。

どうしたの?
ヒロ

しおり
疲れた。

普段聞きなれない言葉もあるからね。まずはポイントをおさえる事だよ。
ヒロ

あや
1台あたり10万円以上の資産の購入って頻繁にないからね。10万円に注意するといいかもしれないね。

しおり
そうだね。ポイントを1つ1つ確認するとわかりそうね。

 

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