副業

平均年収を見える化。副業を解禁するほど将来は不安なのか

投稿日:2017年8月16日 更新日:

ロート製薬、サイボウズ等、社員の副業を解禁する大手企業が増えています。中でもエンファクトリーは「副業禁止」とは逆に「専業禁止」を掲げており一躍話題となりました。

ネットでもFX、アフィリエイト、せどり等の人気の副業の情報は多数あり、副業を経験していないが副業をしたい人は約3人に2人いるといわれています。ヤフオク、メルカリ、ココナラ等が人気となりこれからさらに副業をする人が増えてくるでしょう。

今まで副業をしていなかった人が副業を始める事にどんな時代背景があるでしょうか。

平均年収の推移

 

国税庁参考:民間給与実態統計調査結果

サラリーマンの平均年収は平成9年から減少傾向にあり、平成21年頃から徐々に増加しています。平成20年から平成21年にかけて平均年収が大幅に減少していますが、何があったか覚えていますか?「リーマン・ショック」です。

リーマン・ショックは平成20年9月にアメリカのリーマン・ブラザーズの破綻で発生し、世界的な金融危機になり平成21年決算で最終赤字を計上する企業が増え日本経済にも影響を及ぼしています。

その後アベノミクス効果もあり大手企業を中心に業績が回復されてきました。

業績が徐々に回復し、給料が増えてきているのに副業を大手企業が解禁したり、「働き方改革」で政府が副業を推進しています。それはなぜでしょうか。

副業をする人、したい人が増えているのはなぜでしょうか。

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社会保険料率の推移

収入はあくまで収入です。給料からは社会保険料、所得税、住民税等が引かれて支給されます。

給料と密接な関係がある社会保険料率の推移はどうなっているでしょうか。給料から差し引かれる「健康保険」「介護保険」「厚生年金」「雇用保険」に着目してみます。

健康保険料率 介護保険料率 厚生年金保険料率 雇用保険料率 個人負担分合計
平成18年 8.20% 1.23% 14.642% 1.95%(0.8%) 12.836%
平成19年 14.996% 1.50%(0.6%) 12.813%
平成20年 1.13% 15.350% 12.940%
平成21年 1.19% 15.704% 1.10%(0.4%) 12.947%
平成22年 9.34% 1.50% 16.058% 1.55%(0.6%) 14.049%
平成23年 9.50% 1.51% 16.412% 14.311%
平成24年 10.00% 1.55% 16.766% 1.35%(0.5%) 14.658%
平成25年 17.120% 14.835%
平成26年 1.72% 17.474% 15.097%
平成27年 1.58% 17.828% 15.204%
平成28年 18.182% 1.10%(0.4%) 15.281%
*健康保険、介護保険は全国の平均。全国健康保険協会参考:保険料率の変遷

一般事業を対象に「健康保険」「介護保険」「厚生年金」の個人負担分は2分の1、雇用保険は( )書きが個人負担分です。介護保険は40歳以上の方が対象ですが、個人負担分合計では含めています。

平均年収と社会保険料の関係

平均年収は減少傾向、社会保険料は増加傾向にあります。グラフにするとこんな感じです。

平成18年から平成27年でまとめてみましたが、社会保険料はほぼ右肩上がりです。実際の計算方法とは違いますが、参考程度に見て下さい。

社会保険料は半分を会社が負担しています。リーマン・ショック前の平成20年と平成27年を比べると平均年収は約9万円減少していますが、会社が社員に対して負担する給料+社会保険料の合計は1万円ほどの減少です。

サラリーマンの平均年収は減少していますが、会社が社員に対して負担する人件費はリーマン・ショック前に戻りつつあります。

厚生年金は毎年0.354%ずつ引き上げられ、平成29年9月以後は18.3%に固定される予定です。平成29年度で考えると会社が負担する人件費の合計はリーマン・ショック前を超えているでしょう。

可処分所得の推移

そうはいっても、平均年収が減少し、社会保険料が増加すれば手取り額が減ります。

可処分所得というのを知っていますか?可処分所得は、収入から税金や社会保険料等の支出を差し引いた後の手取りで、家計が自由に処分する事ができる所得の事です。

収入ー(社会保険料+所得税+住民税)では?と思ってしまいますが、2019年10月から10%に増税が予定されている消費税を含めて計算してみます。

消費税は2014年4月1日から5%から8%に増税されました。それがどう影響されているでしょうか。扶養なし、生命保険料控除等の所得控除なしで計算しています。

グラフの形が変わっていますが、気にしないで下さい。

上から「合計」「平均年収」「手取り」「可処分所得」「消費税10%の場合」となっています。

合計、平均年収は先程と同じですが、「手取り」は収入から社会保険料、所得税、住民税を引いた残高です。「可処分所得」は手取りからさらに、平均年収に対して負担する消費税を引いた残高、「消費税10%の場合」は消費税が10%になった場合の可処分所得です。

消費税の計算に関しては疑問が生じると思いますが、平均年収から消費税の発生しない「社会保険料、所得税、住民税、保険料等」をひいた金額が、平均年収の約35%と想定して計算しています。

手取り、可処分所得、消費税10%の場合のグラフが混雑しているのでその3つだけをグラフにしてみました。

平成26年で手取りと可処分所得の差が広がっています。これは消費税が5%から8%になった事が影響しています。

グラフにはほとんど影響していませんが、平成25年から所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が発生しています。

可処分所得だけでみると、リーマン・ショック直後の平成21年と平成27年では平成27年の方が可処分所得が少ないです。平均年収が増えても社会保険料、消費税8%が家計に大きく影響しています。

消費税が8%から10%になればさらに影響します。

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まとめ

平均年収から社会保険料、税金と見える化してわかった事は、会社が社員に対して支払う人件費(給料+社会保険料)はリーマン・ショック前とあまり変わらないが、個人が自由に使えるお金が減っているという事です。

会社が個人の可処分所得を増やすために給料を増加すると、その分会社が苦しくなります。その結果会社の業績が悪くなっては意味がありません。

会社が副業を解禁したり、サラリーマンや主婦が将来不安になり副業に興味を示すのは必然です。副業をすると自由な時間が少なくなったり、働く時間が増えるためつかれますが実はそれ以上のメリットがあります。そのメリットについては別の機会にします。

副業をはじめると収入が増えるため申告が必要です。20万円以下は申告が不要と言われていますが厳密にはそうではありません。

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税理士を目指して勉強中の30代、2児のパパ。子供の寝顔に癒される。 サイト名が「スマート家事術。」なのに、税金のコンテンツが一番多い事に違和感を覚えつつも更新を続ける。 【取得資格】税理士試験簿記論、貸金業取扱主任者、BATIC(Accoutant Level)等

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